ペンキの希釈とは?計算と希釈方法
いざペンキを塗ろうとなった時、希釈率って?希釈方法は?と迷うことはありませんか?
塗装仕様を読んでいると「希釈」という言葉を必ず見かけますよね。
「希釈」とは溶液を薄めることを意味しますが、塗料によって0~10%、5~10%と希釈率が異なります。
なぜ0~10%と希釈率に幅があるのでしょうか?
そんな「希釈」に関する疑問について詳しく調べてみることにしました。
目次
1.なぜ希釈するの?
希釈することで塗料の粘度調整する理由には大きく3つの理由があります。
①美しく仕上げる
ペンキの粘度が高いと刷毛やローラーのムラが目立ってしまいます。
一方、粘度が低すぎると塗装中に塗料が垂れてしまったり、下地が透けてしまいます。
こういった問題を避ける為に希釈作業にて粘度の調整を行います。
また漆喰のような厚付けして模様をつける塗料やスプレーガン塗装の場合は、とくにメーカーが推奨する希釈率を守る必要がありますので注意しましょう。
②作業効率をあげる
作業効率も同様で粘度が高く塗りにくいと作業ペースが遅くなりますし、ちょうど良い粘度なら作業もスムーズです。
③吸い込み防止・色ムラ防止
素地が荒れている等の条件下の場合、本塗り前に素地を固める為の「捨て塗り」という塗装を行います。
「捨て塗り」とはあらかじめ上塗り塗料を多めにうすめて塗装する事で、「吸い込み防止」「色ムラ防止」などの効果があります。
2.希釈剤の種類とは?
使われる希釈剤によって塗料は区別されています。大きく分けると水性系と溶剤系の2種類です。
①水性系塗料の希釈剤
水性系の希釈剤は「水」になります。
水性系は、塗料(樹脂)を溶解して流動性を与えるために使われるものが水となり、製品のカタログの多くに希釈剤は「清水」と記載されています。
「清水」って何??特別な水なのかなと戸惑う方もいると思いますが、きれいに澄んだ水という解釈で大丈夫です。一般の水道水を使用しましょう。
②溶剤系塗料の希釈剤
溶剤系の希釈剤は「シンナー」になります。
ペイント(油性)塗料を薄めるときには、「ペイントうすめ液」
ラッカー系塗料を薄めるときには、「ラッカーうすめ液」
アクリル樹脂やウレタン樹脂などの強溶剤系の塗料を薄める時は、それぞれの塗料に適した専用シンナーがあります。
それぞれの塗料に適したうすめ液を使用しないと、塗料が分離したり固まったりするなど、塗料がダメになってしまうこともありますので、注意が必要です。
3.希釈率に幅があるのはなぜ?
どうして5~10%と幅があるのか?疑問に思いませんか?
実は季節によって塗料の粘度は異なります。
夏は気温が高いので塗料がサラサラしているため、希釈剤で薄める割合は少なめですが、冬場は気温が低い為、粘度が高くなり、薄める割合を高くすることになります。
その為、希釈率に幅を持たせているのです。
希釈率を確認したときに0~10%など「ゼロ~」の場合がありますよね。これは薄めなくても良いという訳ではありません。季節・気温によって塗料の粘度が異なるので、場合によっては薄めなくても使えるという事です。
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4.希釈量の計算方法
塗装仕様に記載されている希釈率に従って希釈量を計算してみようと思います。
下記の計算式にベースの量と希釈率を入れてみましょう。
希釈量の数値が出たら実際にペンキを希釈していきます。
5.希釈の仕方
実際に希釈をしてみます。
まず希釈量が800g~1,600gと幅がある場合は、まず最低量の800gの希釈液を塗料に混ぜこみます。
撹拌棒でよく混ぜながら粘度を確認していきましょう。
ドロドロと粘度が高そうであれば残りの希釈液を撹拌しながら少しずつ加えていき、
ちょうどよい粘度になれば、希釈の完了です。
6.さいごに
「希釈」は、塗料を適切な希釈率で薄める事だということが分かりました!塗料は薄め過ぎてもその効果を発揮しませんし、粘度が高すぎても、塗りづらくムラができ、不具合の原因となる為、使用する塗料の標準塗装仕様に従って適切に薄める事が大切です。
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