建物を保守・維持・管理しよう!店舗・旅館・ホテルのメンテナンス特集
大勢の人が利用する店舗、旅館、ホテルなどは常に清潔な状態で維持しなければなりません。そのため定期的なメンテナンスを行うことが大切になってきます。
今回、「店舗・旅館・ホテルメンテナンス特集」では用途や材質に合わせて、メンテナンスにおすすめの塗料をご紹介していきたいと思います。
目次
1.ロビー・廊下・店舗などの屋内床
ホテルのロビーや客室、店舗の床はきれいな状態を保ちたいですね。しかし床といっても、さまざまな材質がありますので適切な塗料を選び・その施工方法で塗らなければなりません。
こちらでは、材質別におすすめの塗料をご紹介いたします。
【磁器タイル・石材床】
磁器タイル・石材床には、まず付着したシミ、汚れ、油、色素等を専用の洗浄剤で除去してから、専用の保護・防汚剤でコーティングしてください。
◆洗浄剤:石材に付着したシミ、汚れ、油、色素を取り除くのにおすすめの塗料
◆コーティング剤:洗浄後に保護及び汚れ防止処理をするのにおすすめの塗料
【無垢フローリングなどの木材床】
木材床は、人が出入りしていくにつれて美しさが失われていきます。そのため定期的なメンテナンスが大切になってきます。
自然な仕上がりを重視する場合は、ステインや木材保護塗料がおすすめです。
汚れや耐久性を重視する場合は、床用ニスを塗装することをおすすめします。
【コンクリート床】
◆ウレタン系:フォークリフトが通るような工場・倉庫などの屋内床の摩耗性・耐久性・耐衝撃性・硬度が必要な場所におすすめの塗料
◆水系:コンクリート素地をそのまま活かしたクリヤー仕上げができるおすすめの塗料
2.屋外通路や歩道などの屋外床
屋外の床は常に紫外線や雨風に晒されてます。そのような場所には、耐候性・耐摩耗性に優れた屋外床用塗料を選びましょう。
【コンクリート・モルタル床】
油性系・水性系と両方の塗料ありますが、おすすめは取り扱いが容易な1液型の水性系塗料です。
※新設のコンクリート面への塗装する場合は、水分やアルカリによる塗装不良を避けるため、コンクリート打設後3週間以上放置してから塗装してください。
※コンクリートの場合は、上塗り塗料との密着性を高めるため下塗り材を使用する必要があります。
【磁器タイル・石材床】
床に付着した、シミ、汚れ、油、色素を専用の洗浄剤で除去してから磁器タイル・石材専用の保護・防汚剤でコーティングしてください。
3.洋室・和室・建具などの室内壁
ホール、廊下、洗面所やトイレなど室内の壁は、室内壁用塗料で塗ることが出来ます。色が豊富ですので雰囲気やテイストに合わせて選ぶことが出来ます。室内壁用塗料は、それぞれ機能を持っていますので塗装する場所に合わせて選びましょう。こちらでは素地別に塗料をご紹介します。
【モルタル・コンクリート各種ボード面】
室内壁用塗料は水性の塗料がおすすめです。その中でもお店や施設が営業している時間に塗装をしても気にならないくらいの低臭の塗料を選ぶのが良いでしょう。
※素地により塗装面の状態により下地処理や下塗りが必要な場合があります。施工方法を
【塩ビクロス(壁紙)面】
塩ビクロス(ビニールクロス)に塗装する場合は、塩ビクロスにも塗れる塗料を選びましょう。 通常の塗料ですと塩ビクロスに含まれる可塑剤(かそざい)によってベタツキが発生します。
【塗り壁(砂壁・京壁・漆喰)面】
砂壁や京壁などの塗り壁も室内壁用塗料で塗装することができます。 但し、必ず下地補強剤で下地を補強してから塗装しましょう。そのまま補強せずに塗装すると剥がれてしまいます。また、カビが発生している場合は必ず対処しましょう。
■おすすすめ下塗り材
【木材(建具)面】
木製の屋内壁・天井・建具、造作材などはニスやステイン、木部保護塗料を塗ることで汚れやキズから守ることが出来ます。
4.建物外部などの外壁
建物外部には、さまざまな素材や部位があるため、その素材・部位に適した塗装仕様に合わせて塗料を決める必要があります。また外壁塗装の塗り替えの場合は、躯体や旧塗膜の劣化状況で、下地処理(躯体補修・下地補修)の仕方が変わりますので塗装方法をしっかりと確認しましょう。
【モルタル・サイディング壁】
水性・油性の外壁用塗料で塗装することができます。サイディング壁は着色タイプのほかクリヤータイプの塗料も使用できます。
【打放しコンクリート壁】
着色タイプの外壁塗料で塗装することもできますが、打ちっぱなしコンクリートの素材感を活かす場合は、クリヤータイプの撥水材(吸水防止材)がおすすめです。
【コンクリート・ブロック塀】
ブロックの目地を樹脂モルタルで埋めて凹凸用塗料で仕上げればプロック塀のイメージを消すことができます。
【トタン・金属壁】
トタンやガルバリウム鋼板などの金属系の外壁の場合は、専用の塗料・下塗り材 (プライマー)を使用して塗装します。
5.門扉・フェンス・建物鉄部などの屋外鉄部
屋外の鉄部は錆びやすく腐食すると美観を損なうだけでなく、構造物自体の強度が著しく低下しますので、錆びる前に定期的な塗装が必要です。また、金属には様々な種類の金属や表面処理したものがありますので、 塗装素地に応じて下塗り材を使用したり、適した鉄部塗料を選択することが大切です。
【油性屋外鉄部】
耐久性の求められる部位ですので、耐水性・耐候性のある油性塗料がおススメです。また、サビ止め塗料を下塗りすると耐久性が高まります。
【水性屋外鉄部】
比較的に耐候性が求められる部位ですが、塗装面積が少ない場合はDIY用の鉄部塗料が おすすめです。サビが発生している場合は、必ずサビを落としてから塗装をしましょう。
6.鉄製ドア・建具などの屋内鉄部
屋内の鉄部には、鉄製のドアや窓枠、スチール製の家具などいろいろな鉄製品があります。また、鉄やアルミ、ステンレスなどの金属の種類が存在しますので、素材や塗装方法に応じて最適な鉄部用塗料を選択しま しょう。
【鉄製ドア・窓枠・建具・鉄製品】
鉄部塗装では、鉄部に塗れる多用途塗料や鉄部用塗料がおすすめです。業務用の場合は、塗装仕様に応じて選択して下さい。
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7.屋上バルコニー
屋上やベランダなどの塗装では、防水材(防水塗料)を使用します。 使用する材料は基本的に既存の防水仕様に準じて選ぶ必要がありますので、塗装する施工面の防水仕様を確認してから適切な商品を選択しましょう。防水仕様には主にウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水などがあります。
【コンクリート面】
コンクリート面にはウレタン防水材や水性防水材などが使用できます。
【塗膜のある面】
塗膜のある面では、防水仕様と既存塗膜の種類を確認してから適切な塗料を選択して下さい。
【各種シート防水面】
シート防水には加硫ゴムシート、塩ビシート、アスファルトルーフィングなどの種類があり、種類に対応した下塗り材や商品の選択が必要です。塩ビシートの場合は、商品によっては使用できない場合や専用の下塗り材が必要となります。
【FRP防水面】
ベランダなどによく用いられるのがFRP防水。FRPとは、ガラス繊維強化プラスチックの略称です。耐酸・耐候性にも優れており錆びず、腐ったりすることもありません。塗り替えの際は、FRP防水層のトップコートをケレン(けずって)し、アセトン等で清掃したのち、FRP専用プライマーが必要となります。
■アセトンやプライマー
8.新生瓦・日本瓦・セメント瓦・トタン瓦など屋根
屋根は、建物の中でももっとも風雨にさらされる箇所で、メンテナンスを怠ると雨漏りの原因となったりしますので、定期的に塗り替えをしましょう。また屋根材は、たくさんの種類がありますので、屋根材にあった最適な塗料を選ぶことがとても大切です。
【新生瓦・スレート・セメント瓦】
水性・油性の屋根用塗料で塗装します。素地の状態により、下塗り材を使い分ける必要があります。
【トタン・金属瓦】
水性・油性の屋根用塗料で塗装します。素地の種類により適切な下塗り材・さび止めを選ぶ必要があります。
9.道路・駐車場
道路や駐車場のアスファルトコンクリート(アスコン)面の塗装では、 区画線など路面標示のライン用塗料と、テニスコートや遊歩道・公園 などのカラー化に使用する美装用の塗料があります。
【コンクリート・アスファルト面の区画線・ライン用】
水性系と油性系のどちらでも使用できます。新設面ではブリード(にじみ)の心配がありますので水性系がおすすめです。
【遊歩道・自転車道などのアスファルト面】
水性系がおすすめです。油性系はブリード(にじみ)の心配のない既設面のみ使用できます。
10.モルタル壁・天井・木材壁などの浴室
浴室の壁や天井は、湿気により腐食やカビが発生しやすい箇所ですので、防カビ剤入りの塗料や浸透性の保護剤・防汚剤で保護しましょう。モルタル面は、防カビ剤入りの浴室用塗料を使用するとカビの発生を抑制することができます。
【モルタル壁・天井】
浴室のモルタル壁や天井は防カビ剤入りの浴室用塗料を使用しましょう。尚、タイルやFRPなどの素材には塗装できません。
【木材壁・木製品】
浴室の木材壁・天井や風呂桶・すのこなどの木製品は、木材の吸水率を低下させ、カビ・腐食・ぬめりの発生を防止・抑制する木材用の浸透性保護剤・防汚剤がおすすめです!
11.看板・テント
看板は店舗の顔であり、装飾次第で集客にもつながります。塗料は屋内用と屋外用に分かれており、色も多数ございます。テントを鮮やかにペイントして目立たせたり、黒板になる塗料を塗装してオリジナルメニューボードを作ったりと様々な使い道があります。
【ポスター・看板・舞台】
鮮やかなカラーが多数揃っているので体育祭・文化祭などのイベントにもおすすめ。
屋外で使用する場合は、紫外線に強く耐候性の高い屋外専用塗料をご選択ください。
【布・テント・シート】
テントやシートなどビニール系の素材に文字やイラストを描くには、テント・シート地専用の塗料を使用する必要がります。通常の塗料を使用すると可塑剤によるベタツキや密着不良、 折りたたみ時のはく離や割れの原因になります。
【黒板塗料】
黒板塗料には水性タイプと耐久性・耐水性に優れた油性タイプがあります。マグネットペイントを下塗りすれば磁石の付く黒板にすることもできます。
■磁石が付く塗料
12.貯水槽 高架水槽
貯水槽の塗料は、内面用と外面用があります。業務用の特殊塗料ですの で取り扱いには注意が必要です(業者専用品になります)。
【内部用】
【外部用】
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