【色ムラを防ぐ!】塗料は必ず撹拌(かくはん)をしてから塗装するべし!
突然ですが、塗装における撹拌(かくはん)という言葉を聞いたことありますか?
「初めて聞いた!」「聞いたことはあるけど、よく知らない」という方は今回、撹拌(かくはん)について覚えていただければと思います。
目次
1.撹拌ってなに?
塗料缶や塗装方法などの説明書などを確認していただくと、「使用する前にはよくかき混ぜてからお使いください」のような文章を目にしたことはありませんか?
この「かき混ぜる」という作業が撹拌(かくはん)するということです。
塗装において、かき混ぜるという作業は、とても重要になります。撹拌を怠ってしまうと仕上がりに影響が出る恐れがあります。
2.塗料は時間が経つにつれて分離してくる
どうして撹拌が必要なのかと言いますと、塗料は時間が経つにつれて樹脂や顔料などの成分が水分(または溶剤)と分離し沈殿していきます。
状態でいうとドレッシングと似ています。油分が多いドレッシングをサラダに使うとき、油と材料が層になって分離してしまっているので、必ず振って混ぜてから使用しますよね。
この分離している状態が、塗料の容器内でもおきています。ですので塗料もドレッシングと同じように、しっかりかき混ぜてあげることが必要になってくるのです。
3.撹拌をしないとどうなるの?
先ほど時間が経につれて塗料が分離してくるとお伝えしました。
では撹拌をしないでそのまま塗装をすると、どうなるのでしょうか。
結論から申し上げますと撹拌をしないと「撹拌不足」になり下記のような症状が起きる可能性があります。
【撹拌不足による症状】
●色ムラが起きてしまった
●色見本と違う仕上がりになってしまった
●本来の性能が十分に発揮されない
●塗膜が剥がれてきてしまった
撹拌不足により顔料などの成分が均一に混ざりあっていなかったため、色ムラや色見本と違う仕上がりになってしまう可能性があったり、性能を十分に発揮できず塗膜がはく離してしまったなど、その他にも撹拌不足が原因で、さまざまな症状が起こりうる可能性がありますので撹拌は必ず行うようにしましょう。
【撹拌の仕方によっては撹拌不足になることもある】
撹拌したから大丈夫!と思った方は少し待ってください。
実は、以下のように混ぜると、撹拌不足になってしまうことがあります。
●簡単にかき混ぜただけで終わらせてしまう
●容器の底の方から、しっかりかき混ぜていない
どちらも、混ぜているのですが共通して「撹拌があまい」のが原因で撹拌不足になっています。
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4.撹拌方法について
ここからは、容器別で撹拌の方法をご紹介したいと思います。
■缶容器の場合
【必要なモノ】
・塗料(丸缶/ペール缶/一斗缶/角缶など)
・撹拌棒もしくは、缶よりも長めのしっかりとかき混ぜられる棒
【手順】
手順1.フタを開ける前に一度撹拌しておく
まず塗料のフタを開ける前に、容器内の沈殿している顔料や成分を撹拌します。
軽いのであれば容器を持って上下に振って撹拌をしましょう。
重いようでしたら、容器を逆さまにして地面に置き、上下左右に揺らして撹拌をしましょう。
※容器を逆さまにする前に、下に柔らかい布を敷いておくと床や容器を傷つけませんのでおススメです。
手順2.フタを開けて中をかき混ぜる
次にフタを開けて撹拌棒や塗料容器よりも長いしっかりした棒を容器の中に入れて内側から撹拌していきます。
容器の底の隅から、顔料や材料をこそぎ取るようしながら全体を撹拌しましょう。
底の隅をかき混ぜた撹拌棒に塊が付いてなければOKです。
※特に一斗缶や角缶の四隅などは顔料が溜まりやすいので注意しましょう。
▶ 一斗缶の場合
一斗缶の場合は、缶を逆さまにして前後10回以上よく振って撹拌します。
撹拌し終わりましたら、次にフタを開けて一斗缶よりも長い棒を使い缶の底や四隅からしっかりと混ぜましょう。
▶ 専用の撹拌機を使用する場合がある
粘度の高い塗材や2液型の塗料は、撹拌機(プロペラが付いた専用の機械など)を使わないと均一に撹拌できないものがあります。
▶ 非常に粘度の高い塗料は要注意!
性質上鉄分が沈殿している「マグネットペイント」は、粘度が高く混ぜるのに一苦労します。
例えるとカチカチに凍ったアイスクリームをかき混ぜるような感じです。
撹拌する棒はしっかりした棒を準備してください。最初は、撹拌する棒を刺すと立ってしまうくらい固まっているので、上の方から缶の底に向かってゆっくり撹拌していきます。
次第に塗料が柔らかくなっていき、最後は塗料がトロトロになりましたら撹拌できた合図になります。
▼黒板になる塗料と合わせるとマグネットがつく黒板になります♪
■ポリ容器の場合
ポリ容器は手で持てる容器が多いので、そのまま上下左右に振ってよく撹拌しましょう。また透明・半透明の容器でしたら中身が見えることがありますので撹拌後、容器の底に沈殿物がないかチェックしてみましょう。
■スプレー缶や小さいボトル容器の場合
カラースプレー缶などは、容器の中に撹拌用の玉が入っています。容器を振るとカラカラと音がし始めると思いますので、そこから20回以上しっかり振りましょう。
■硬化剤を混ぜたり、希釈をする場合
塗料には、硬化剤を混ぜて使用する2液タイプの塗料やシンナーや水で希釈する塗料があります。
これらの塗料は硬化剤の混合後や希釈後にしっかり混ぜないと硬化不良や色ムラの原因になりますのでしっかり撹拌する必要があります。
いくつかの撹拌方法をご紹介しました。まだ、他にも撹拌方法はありますので、必ず製品の塗装方法等で確認しましょう。
4.塗料が泡立っていたら待ちましょう
塗料缶を振って混ぜた後は、塗料が泡立っていることがあります。
泡立ちが残った状態で塗装をしてしまうと、気泡となって塗装面がキレイに仕上がりません。
そうならないために撹拌しましたら、少し放置して気泡がおさまるのを待ちましょう。
5.塗装中も撹拌をするようにしましょう
塗料によっては、塗装中に分離し始める塗料もあります。その場合は、塗装中も塗料容器の中はもちろん、バケットなどに小分けした塗料はローラーネットを使って、こまめに撹拌するようにしましょう。
6.さいごに
撹拌は、塗装においてとても重要な作業になります。私たちスタッフも、塗装する前に、もう十分じゃない?というくらい念入りに撹拌するようにしています。
皆様も「塗装する際は、まずは塗料をかき混ぜる!」と覚えていただければと思います。
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